成人脊柱変形患者における全脊柱矢状面アライメントのレントゲン指標

Radiographic Parameters for the Assessment of Whole Body Sagittal Alignment in Adult Spinal Deformity Patients

はじめに

　成人脊柱変形は，特発性側弯症の遺残変形，椎間板変性，骨粗鬆症による椎体骨折後の椎体変形，外傷，腫瘍，感染などのさまざまな原因で起こる．若年者における特発性側弯症と異なり，成人脊柱変形では，容姿上の問題だけでなく腰痛や下肢痛などを伴うことも多く，特に矢状面アライメントの悪化は患者のQOL悪化の原因となる．近年のレントゲン撮像技術の進歩と相俟って，全身の矢状面アライメントについて多くの知見が得られてきており，手術治療成績の向上につながっている．本稿では，成人脊柱変形患者における全脊柱矢状面アライメントのレントゲン指標について，最近の知見を交えて概説を行う．