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TACC3の高発現は骨肉腫における予後不良因子である
Elevated expression of transforming acidic coiled-coil containing protein 3(TACC3)is associated with a poor prognosis in osteosarcoma
松田 光太郎
1
K. Matsuda
1
1久留米大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kurume University School of Medicine, Kurume
キーワード:
osteosarcoma
,
transforming acidic coiled-coil containing protein 3(TACC3)
,
prognosis
Keyword:
osteosarcoma
,
transforming acidic coiled-coil containing protein 3(TACC3)
,
prognosis
pp.992-995
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_992
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【要 旨】
目 的:骨肉腫におけるtransforming acidic coiled-coil containing protein 3(TACC3)発現と,臨床病理学的特徴および予後との関係を検討することである.
対象および方法:1989~2013年に当院で治療した33例の骨肉腫患者の生検検体を対象とした.免疫組織化学染色を用いてTACC3,癌抑制遺伝子p53,細胞増殖マーカーKi-67の発現を評価し,臨床病理学的事項との関連を検討した.予後は,転移なし生存率と全生存率で評価した.加えて,多変量解析で転移なし生存期間と全生存期間における予後因子を検討した.
結 果:TACC3は19例で高発現しており,腫瘍の大きさ,p53の高発現,Ki-67の高発現と関係していた.TACC3高発現群は,低発現群と比較して,転移なし生存率,全生存率ともに低かった.多変量解析では,TACC3高発現は転移なし生存期間,全生存期間のいずれにおいても独立した予後不良因子であった.
考 察:骨肉腫では,TACC3は予後予測因子であり,また治療標的にもなりうると考えられた.
© Nankodo Co., Ltd., 2019