Japanese
English
論述
骨肉腫に対する化学療法について
The Chemotherapy for Osteosarcoma
土屋 弘行
1
,
富田 勝郎
1
Hiroyuki Tsuchiya
1
1金沢大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kanazawa Univergsity School of Medicine
キーワード:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
化学療法
,
chemotherapy
,
制癌剤感受性試験
,
drug sensitivity test
,
HTCA
,
human tumor clonogenic assay
,
化学療法の個別化
,
chemo-individualization
Keyword:
骨肉腫
,
osteosarcoma
,
化学療法
,
chemotherapy
,
制癌剤感受性試験
,
drug sensitivity test
,
HTCA
,
human tumor clonogenic assay
,
化学療法の個別化
,
chemo-individualization
pp.1139-1146
発行日 1987年10月25日
Published Date 1987/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907706
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抄録:近年,化学療法を中心とした集学的治療の進歩により骨肉腫患者の予後は大幅に改善してきた.当科で経験した骨肉腫72例のうち,長管骨に発生し初診時明らかな転移のない59例を,high dose methotrexate(HDMTX),cisplatin(CDDP)を主軸とした化学療法施行群(A群16例)とhistorical control(B群43例)に区分し比較検討した.Kaplan-Meier法による5年累積生存率は,A群で51.7%,B群で14.4%であった.治療開始日より肺転移出現までの期間はA群で21.2ヵ月,B群で9.5ヵ月であり,肺転移出現までの期間の長期化が生存率向上の一要因と考えられた.局所療法としての腫瘍根治的手術はほぼ限界に達しており,これらの生存率の向上は化学療法の進歩による所が大きいと考えられた.今後,さらに成績を向上させるためには有効な制癌剤感受性試験によって感受性,耐性を的確に判定することと,1つのプロトコールに捉われず各症例毎に制癌剤投与スケジュールを検討する必要があると考えられた.
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