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転移性脊椎腫瘍に対する手術成績
-――手術,非手術例の全身状態,日常生活動作に関する前向き研究
Prospective cohort study of performances status and activities of daily living after surgery for spinal metastasis
角谷 賢一朗
1
,
酒井 良忠
2
,
由留部 崇
1
,
張 鍾穎
1
,
黒田 良祐
1
,
西田 康太郎
1
K. Kakutani
1
,
Y. Sakai
2
,
T. Yurube
1
,
S. Cho
1
,
R. Kuroda
1
,
K. Nishida
1
1神戸大学大学院整形外科
2神戸大学大学院リハビリテーション機能回復学
1Dept. of Orthop. Surg., Kobe University Graduate School of Medicine, Kobe
キーワード:
palliative surgery
,
prospective cohort study
,
spinal metastasis
,
performance status
,
activities of daily livings
,
neurological status
,
independent daily life
Keyword:
palliative surgery
,
prospective cohort study
,
spinal metastasis
,
performance status
,
activities of daily livings
,
neurological status
,
independent daily life
pp.77-83
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_77
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【要 旨】
背 景:脊椎転移は重篤な神経障害を引き起こし,結果として,癌患者の全身状態や日常生活動作(ADL)を低下させる.一方,これまでに脊椎手術が全身状態やADLに与える影響は明らかにされていない.
対象および方法:脊椎転移により難治性疼痛や下肢麻痺をきたした70例を対象とした.全例に手術適応があり,インフォームド・コンセントの後に手術を希望した46例を手術群とし,手術を希望しなかった24例を非手術群とした.この両群に対して前向きに全身状態,ADL,神経機能について6ヵ月間にわたり調査した.
結 果:研究開始時点での,両群間での全身状態,ADL,神経機能に有意差はなかった.一方,手術群の90%以上の症例が1ヵ月後には全身状態,ADLや神経症状が改善し,自立した生活を6ヵ月間可能にした.しかしながら,非手術群ではこれらの状態は改善せず,経過中に徐々に悪化していた.
結 論:脊椎転移に対する手術的治療は,全身状態,ADL,神経機能を改善し,脊椎転移患者の自立した生活を可能にした.
© Nankodo Co., Ltd., 2019