Japanese
English
論説
前方侵入法によるX線透視装置併用人工股関節置換術におけるカップ設置精度の検証ならびに前方開角の単純X線およびCT計測値の比較検討
Cup measurement by X-ray and CT on THA through a direct anterior approach using fluoroscopic imaging
渡邊 憲弥
1
,
三井 勝博
1
,
西村 匡博
1
,
山岸 佑輔
1
K. Watanabe
1
,
K. Mitsui
1
,
M. Nishimura
1
,
Y. Yamagishi
1
1長野県立信州医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nagano Prefectural Shinshu Medical Center, Suzaka
キーワード:
DAA
,
THA
,
fluoroscopic imaging
,
cup
Keyword:
DAA
,
THA
,
fluoroscopic imaging
,
cup
pp.893-898
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_893
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
前方侵入法(direct anterior approach:DAA)は,仰臥位手術で術中骨盤が安定するため,側臥位手術に比べカップ設置精度が高いと報告されている1).当院でも2007年よりDAA-THAを行っていたが,術後単純X線像で術前計画どおりにカップが設置されず,なかには脱臼をきたす症例があることが問題点であった.すでに報告されているとおり,DAAにおいてはカップ外転角および前方開角が増大する傾向にあり2),その原因として術中の骨盤傾斜角に変化が生ずることがあげられている3).対処法として,術中X線,X線透視装置やナビゲーションなどの使用があげられる.ナビゲーションシステムは費用や汎用性の点においてどの施設でも簡単に導入できるものではないが,X線透視装置は清潔操作にさえ配慮すればその使用は容易である.当院では2011年10月からDAA-THAを行う際にX線透視装置を使用している.また人工股関節のカップの外転角と前捻角には三種類の定義が存在し,その違いにより同じカップでも異なる角度表示となり混乱をきたすことがある.
本研究の目的の1点目はX線透視装置の使用によりカップ設置に改善があったかどうかを検討することである.2点目はカップ角度を単純X線像および単純CTによる計測で比較することにより相関関係の有無を確認し,術後のカップ設置評価に役立てることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018