ポリオおよび脳血管障害による片側麻痺例に対する人工膝関節全置換術の治療経験

Clinical results of total knee arthroplasty for hemiplegia caused by poliomyelitis and cerebral infarction

は じ め に

　超高齢社会を迎えたわが国において，今後，麻痺性疾患を伴う症例に対する人工膝関節全置換術（total knee arthroplasty：TKA）の需要は，増加することが予想される．日常診療において，片側麻痺例でのTKAを計画する際には，手術適応かどうかを逡巡することから始まり，機種選択や手術方法に熟慮を要する．しかし，麻痺性疾患に対するTKAの報告は少なく^1～9），明らかな指針がないのが現状である．

　当院においてポリオおよび脳血管障害（cerebrovascular disease：CVD）に伴う片側麻痺例に行ったTKAの成績，患者満足度を調査し，その適応および注意すべき点について考察することが本研究の目的である．