Japanese
English
経験と考察
骨端線閉鎖前の小児肘関節脱臼は高率に骨折を合併する
-――CTによる検討
The pediatric elbow joint dislocation before the epiphyseal closure is associated with a bone fracture to a high rate
志村 治彦
1
,
佐藤 哲也
2
,
二村 昭元
3
,
藤田 浩二
4
H. Shimura
1
,
T. Sato
2
,
A. Nimura
3
,
K. Fujita
4
1東京ベイ・浦安市川医療センター整形外科
2同愛記念病院整形外科
3東京医科歯科大学大学院運動器機能形態学
4東京医科歯科大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Bay Urayasu-Ichikawa Medical Center, Urayasu
キーワード:
elbow dislocation
,
child
,
fracture-dislocation
Keyword:
elbow dislocation
,
child
,
fracture-dislocation
pp.410-413
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_410
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は じ め に
小児肘関節脱臼は,小児肘関節外傷の3~6%といわれまれな外傷である1).成人とは異なり骨組織が未成熟なため小児では脱臼を生じる際に骨折を伴うことが多く,小児肘関節脱臼のうちCarliozら2)は64%,Rasool3)は76%が脱臼骨折であったと報告している.骨折を合併する肘関節脱臼では手術適応となることがあるため,合併骨折の評価は重要である.また徒手整復不能で観血的整復を要することもあり4),初療時に正確な診断と治療方法の選択が要求される.本稿では,骨端線閉鎖前の小児肘関節脱臼の症例に対して単純X線像で術前診断を行い,必要に応じてCTを用いて合併骨折を精査したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018