Japanese
English
経験と考察
変形性膝関節症に対する足部外がえし訓練と外側楔状足底板の併用効果
The effect of a combination of foot eversion exercise and lateral wedged insole for osteoarthritis of the knee
戸田 佳孝
1
Y. Toda
1
1戸田整形外科リウマチ科クリニック
1Toda Orthopedic Rheumatology Clinic, Suita
キーワード:
OA
,
knee
,
insole
,
exercise
,
eversion
Keyword:
OA
,
knee
,
insole
,
exercise
,
eversion
pp.12-15
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_12
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は じ め に
内側型変形性膝関節症(膝OA)に対する装具療法として普及しているものの一つに外側楔状足底挿板(足底板)がある.Kakihanaら1)は,膝OA患者に足底板を装着させて歩行分析を行うと13例中2例(15.4%)で足底板を装着しても距骨下関節に外反モーメントが現れず,膝関節内反モーメントが増加し膝関節内側にかかる負荷が増加したと報告した.その理由としてKakihanaらは,足底板の膝OA患者の距骨下関節角度に対する影響は一定ではないと述べている.
Chapmanら2)は,裸足での足部の最大外がえし角度が小さい膝OA患者は,正常な患者に比べて足底板を装着した時に内反モーメントの低下が有意に小さかったと報告している.Sawadaら3)は,足部の立位単純X線像で中間型の参加者では,最大内反モーメントが裸足歩行時に比べて足底板装着時に有意に低下したが,回内型や回外型の足の参加者では低下しなかったと報告している.
筆者は本誌に足部の外がえし可動域(ROM)が小さい男性膝OA患者は,傾斜の高い足底板より傾斜の低い足底板を装着したほうが効果的であると報告した4).
足底板の膝OAに対する効果が足部の外がえしROMによって変化するのであれば,足底板を装着すると同時に足部外がえし訓練を併用したほうが効果的ではないかと考えた.
そこで,本研究では,43例の膝OA患者に足底板を処方し,無作為に足部外がえし訓練を指導する群と指導しない群に分け,治療効果を両群間で比較した.
© Nankodo Co., Ltd., 2018