特集 最近よく聞く他科の薬―先生の外来にこの薬を使っている患者さんがきますよ
第3章 血液
[補体経路阻害薬(補体阻害薬,抗補体モノクローナル抗体)]エクリズマブ(ソリリス®),ラブリズマブ(ユルトミリス®),クロバリマブ(ピアスカイ®),ペグセタコプラン(エムパベリ®),イプタコパン(ファビハルタ®),ダニコパン(ボイデヤ®),スチムリマブ(エジャイモ®)
植田 康敬
1
1大阪大学 血液・腫瘍内科
pp.469-474
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_469
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▪発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療は,補体C5阻害薬(エクリズマブ)により大きく変わり,貧血の改善のみならず健常者と同等までの予後改善が可能となった.
▪補体C5阻害薬で残存する貧血により,QOLの改善が不十分な患者も多い.
▪近年作用起点の異なるさまざまな新規抗補体薬が登場し,健常者と同様までにQOLの改善が期待できる状況となった.
▪これらの新規抗補体薬による長期安全性については,今後の実臨床でのデータ蓄積が必要である.
▪寒冷凝集素症(CAD)には特異的な治療が存在しなかったが,抗C1s抗体薬(スチムリマブ)の登場により,貧血,倦怠感が大きく改善した.
▪ただしスチムリマブは末梢循環不全には効果がない.

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