特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)
【第1部 あなたもよく使うモノクロな薬たち(非腫瘍性疾患)】
❼血液疾患・凝固異常に使用するモノクローナル抗体—エクリズマブ、ラブリズマブ、イダルシズマブ、エミシズマブ
萩原 將太郎
1
,
吉永 健太郎
2
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院 血液内科
2東京女子医科大学 血液内科学講座
キーワード:
発作性夜間血色素尿症
,
GPIアンカー型補体制御因子
,
血友病A
,
第Ⅷ因子
,
第Ⅷ因子インヒビター
Keyword:
発作性夜間血色素尿症
,
GPIアンカー型補体制御因子
,
血友病A
,
第Ⅷ因子
,
第Ⅷ因子インヒビター
pp.678-682
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204322
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CASE
エクリズマブとラブリズマブにより長期間症状が安定している発作性夜間血色素尿症の1例
患者:40代、男性。8年前に健康診断で貧血とビリルビンの上昇を指摘され、発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria : PNH)と診断された。労作時の倦怠感、朝の黒色尿を自覚し、次第に腹痛や食事の際の飲み込みづらさなどが出現した。LDH上昇と貧血が進行し、輸血が必要な状態になった。またDダイマー上昇を認めたことから、エクリズマブを開始した。症状は軽減し輸血依存から離脱でき、Dダイマーも正常化した。しかし2週ごとの点滴静注のために有給休暇を取得する必要があり、徐々に勤務先との調整が困難になってきた。そのため長時間作用型の補体阻害薬であるラブリズマブに変更して、8週ごとに投与したところ、通院の負担が大幅に軽くなり、症状も安定している。
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