臨床経験
当院で発生した接合菌によるアウトブレイク
稲石 淳
1
,
中谷 綾
,
寺嶋 毅
1東京歯科大学市川総合病院 内科
キーワード:
Rhizopus
,
環境微生物学
,
空調
,
院内感染
,
抗腫瘍剤
,
疾病の発生
,
白血病
,
病室
,
寛解導入
,
室内空気汚染
,
配列分析
,
接合菌症
,
真菌培養
,
地固め療法
Keyword:
Air Conditioning
,
Antineoplastic Agents
,
Disease Outbreaks
,
Cross Infection
,
Environmental Microbiology
,
Leukemia
,
Patients' Rooms
,
Rhizopus
,
Remission Induction
,
Air Pollution, Indoor
,
Sequence Analysis
,
Zygomycosis
,
Consolidation Chemotherapy
pp.831-834
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013356267
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約5ヵ月間に3例の接合菌症の発症を認めたため、アウトブレイクを疑い調査した。3例は異なる時期に同じ病室を使用していた。1回目の環境培養の結果は当該病室の室内塵、空調フィルターのエアーサンプリングおよび拭き取り法で空調付近から接合菌の検出を認めた。空調設備が連続している他の病室でも接合菌を検出したが、当該病室で明らかに多く、当該病室の空調付近で菌が繁殖して感染につながった可能性が示唆された。2回目の結果は拭き取り法で当該病室の空調のフィルター裏から1ヶ所、隣接病室の空調ファンから1ヶ所、2つ隣の病室の空調ファン3ヶ所と同病室のロッカー上1ヶ所から接合菌を検出した。3回目は全12病棟24ヶ所のうち、7ヶ所より接合菌を検出し、接合菌はいずれも遺伝子解析によりR.microsporusと同定した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013