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第8章 神経
[ミオパチー]“多発筋炎/皮膚筋炎” の提唱から50年:新たな分類と「免疫介在性壊死性ミオパチー」の登場
杉江 和馬
1
1奈良県立医科大学 脳神経内科学講座
キーワード:
多発筋炎(PM)
,
皮膚筋炎(DM)
,
免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)
,
筋病理
,
オートファジー
Keyword:
多発筋炎(PM)
,
皮膚筋炎(DM)
,
免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)
,
筋病理
,
オートファジー
pp.697-702
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_697
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Summary
・従来の “多発筋炎(PM)/皮膚筋炎(DM)” の提唱から50年が経ち,筋病理学の発展と多数の筋炎特異的自己抗体の発見から分類が見直され,変革の新時代を迎えている.
・免疫介在性壊死性ミオパチー(IMNM)や封入体筋炎(IBM),抗合成酵素抗体症候群(ASS)が見出され,DMとともに従来と異なる疾患概念とされる一方,PMの存在には議論がある.
・IMNMは体幹筋や呼吸筋,嚥下の障害をきたして重症化しやすい.自己抗体としてSRP抗体とHMGCR抗体が知られている.
・筋病理では壊死・再生筋線維が特徴的で炎症細胞浸潤は乏しく,補体経路やオートファジーの関与が示唆される.
・IMNMはステロイド抵抗性により再燃も多く,免疫抑制薬や大量免疫グロブリン,分子標的治療薬を考慮した治療戦略の確立が求められる.
© Nankodo Co., Ltd., 2024