臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VIII.免疫・アレルギー疾患
多発性筋炎 VS 代謝性ミオパチー
里吉 営二郎
1
Eijiro SATOYOSHI
1
1国立武蔵療養所・神経センター
pp.2032-2033
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216864
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なぜ鑑別が問題となるか
多発性筋炎は膠原病の代表的疾患の1つとして知られ,難病の1つともなっているが,診断は必ずしも容易でない.原因が明らかでない疾患を診断するのは,いかなる場合でもむずかしいが,きめ手がないために症状を中心に診断をすすめてゆくことになり,補助診断法にも特異のものがないために診断に苦しむことになる.
多発性筋炎は一般に自己免疫反応によって生じると想像され,臨床的には四肢筋および顔面筋の筋萎縮と筋力低下を示してくる.病変としては炎症を伴う筋の変性,破壊を生じてくるもので,血清中のCPK活性上昇や筋電図による検査でも筋原性病変を示す所見が得られるが,このような所見は進行性筋ジストロフィー症や代謝性ミオパチーでも認められるもので;特異性はない.
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