FOCUS
知っておきたい! 非結核性抗酸菌(NTM)の薬剤感受性検査
鈴木 眞
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.430-432
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530040430
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はじめに
非結核性抗酸菌(non-tuberculousis mycobacteria:NTM)は現在200種以上が確認され1),主要な菌種としてMycobacterium avium complex(MAC,Mycobacterium aviumとMycobacterium intracellulare),Mycobacterium kansasii,Mycobacterium abscessus complex(MABC)などがある.主に呼吸器感染症の原因菌として分離され,2014年にわが国で行われた全国調査によると,肺NTM症の罹患率は肺結核を上回る人口10万人当たり14.7人と報告されている2).世界的にみてもNTM治療の重要性は高まっており,2018年にはClinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)の改訂が行われ, 菌種ごとに適切な薬剤感受性検査法の実施が推奨されるようになった.さらに2024年には「日本における肺非結核性抗酸菌症の全国調査」が10年ぶりに行われ,その動向に注目が集まっている.
本稿では,NTMの薬剤感受性検査について,わが国で使用されている検査キットの基本内容を概説する.

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