特集 炎症性腸疾患update
[Chapter 3] IBD special situationのupdate
高齢者IBD治療の注意点
穂苅 量太
1
,
高本 俊介
1
,
成松 和幸
1
1防衛医科大学校 消化器内科
キーワード:
高齢発症潰瘍性大腸炎(elderly-onset UC)
,
若齢発症高齢化潰瘍性大腸炎
,
老化
,
フレイル
Keyword:
高齢発症潰瘍性大腸炎(elderly-onset UC)
,
若齢発症高齢化潰瘍性大腸炎
,
老化
,
フレイル
pp.1085-1087
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1085
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★本邦で1970年代から炎症性腸疾患(IBD)発症者が増加し始め,当時若齢で発症した患者も高齢化し,高齢者IBDは増加している.
★潰瘍性大腸炎(UC)の場合,高齢になってから発症する患者が増加し始め,非高齢発症者よりも不良な臨床経過をたどりやすいことがわかってきた.
★Crohn病(CD)はUCに比べれば高齢発症者は少ない.
★IBDの治療は急激に進歩したが,高齢者では治療に伴う感染症や悪性腫瘍発症のリスクが高く,内科治療の選択に慎重さが必要である.
★栄養状態指数の低下が高齢者の入院率や手術率と相関することが示され,暦の年齢より身体的フレイルの程度が重要であると考えられつつある.一方で年齢が高くてもフレイルがなく,併存症もない場合は非高齢者と同様の治療方針が薦められる.
★フレイルや併存症の多い場合は治療ゴールの設定をより低く置き,より安全性の高い薬剤を選択するような柔軟な対応が必要である.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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