特集 睡眠障害:超高齢社会における実態とその対策
高齢者の不眠症
都留 あゆみ
1
1国立精神・神経医療研究センター病院臨床検査部
キーワード:
高齢者
,
不眠症
,
不眠の5P
,
老化
Keyword:
高齢者
,
不眠症
,
不眠の5P
,
老化
pp.9-14
発行日 2017年3月20日
Published Date 2017/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.03_0009-0014
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
不眠症とは,状況や環境が整っているにもかかわらず「眠れない」ことが繰り返される不眠症状と,それに伴う日中の機能障害を認める疾患である。従来から,精神疾患や身体疾患などに伴わない不眠症のことを原発性不眠症,これらに伴って生じた不眠症を二次性不眠症と呼んでいた。最近改訂された精神障害の診断と統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition;DSM-5)や睡眠障害国際分類第3版(International Classification of Sleep Disorders, Third Edition;ICSD-3)ではこれらの区別はなくなり,経過によって大きく急性か慢性かに分けられるのみとなった。これは,原疾患に関わらず併存症として積極的に不眠症状を治療していく重要性の表れであると考えられる。高齢者ではいわゆる「不眠の5P」と呼ばれる5つの不眠の原因(生理学的原因Physiological,心理学的原因Psychological,精神医学的原因Psychiatric,身体的原因Physical,薬理学的原因Pharmacological)が増加する傾向にあり,高齢者で不眠症が多くなる理由の1つと考えられる。以下,高齢者で認めやすい不眠症について,これら不眠の5Pに沿って概説する。「KEY WORDS」高齢者,不眠症,不眠の5P,老化
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.