特集 在宅医療は何のために存在するのか―これからの在宅医療を見据えて
[Chapter 3] 生活モデルとしての在宅医療:本人の納得と満足
積極的な社会参加に至った在宅ALS患者
-ICFモデルに基づいた考察
江里口 誠
1
1佐賀県医療センター好生館 脳神経内科
キーワード:
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
国際生活機能分類(ICF)
,
社会参加
Keyword:
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
,
国際生活機能分類(ICF)
,
社会参加
pp.398-402
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_398
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▪筋萎縮性側索硬化症(ALS)は呼吸不全をきたす神経難病であり,長期予後を改善する治療薬はいまだ開発されていない.
▪近年,人工呼吸器を装着して在宅で療養生活を送るコツはSNSを通じて当事者間で直接共有されるようになってきた.
▪国際生活機能分類(ICF)は統計,調査・研究,教育,啓蒙などが目的として使用されるが,実際の当事者に対するサービス場面での活用も可能である.
▪人工呼吸器を装着した在宅生活を送りながらも社会参加を目的とした治療方針の決定を望む当事者も増えてきている.
▪ICFには個人因子は分類されていないが,本人の自己決定権を行使するためには医療・福祉の専門家と同等に個人因子を踏まえて本人・家族が積極的に発言すべきである.
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