特集 在宅医療は何のために存在するのか―これからの在宅医療を見据えて
[Chapter 2] 医学モデルとしての在宅医療
みんなで支える小児在宅地域ホスピスケア
-お子さんとご家族のいのちの物語を地域で支える
戸谷 剛
1
1子ども在宅クリニック あおぞら診療所うえの
キーワード:
医療的ケア児
,
地域まるごとホスピス
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
Keyword:
医療的ケア児
,
地域まるごとホスピス
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
pp.390-397
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_390
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▪重度の健康障害をもつ小児の成育には,自宅および社会環境での日常的な医療ニーズが高まり,在宅での実利支援と社会資源の施設利用が求められ,小児在宅医療を含む地域資源がとくに重要な意味をもつ.
▪医療者は,病児の病態告知と成育のための特別な専門資源の利用の必要性に対する配慮だけでなく,重度の障害や疾病の告知が父母に強い喪失と絶望を引き起こしうるため,告知のタイミングや手法についても特別な配慮と,常に「希望を支える」という緩和的な視点が必要である.
▪小児のACPには,この「希望を支える」という大切なコンセプトが必要であり,ACPには病状が進行する将来や最期の時間を誰とどこでどのように迎えるかという「暮らしのACP」とそのなかで医療の介入をどこまで行うかという「医療的なACP」の双方を対話によって気持ちを引き出すという役割がある.
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