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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
医療的ケア児と小児の在宅医療
Children who need advanced medical care and pediatric home care
前田 浩利
1
Hirotoshi MAEDA
1
1医療法人財団はるたか会理事長
キーワード:
小児在宅医療
,
医療的ケア児
,
新生児集中治療室(NICU)満床問題
,
障害福祉
,
医療的ケア児支援法
Keyword:
小児在宅医療
,
医療的ケア児
,
新生児集中治療室(NICU)満床問題
,
障害福祉
,
医療的ケア児支援法
pp.493-498
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205493
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新生児集中治療室(NICU)満床問題を契機に注目されるようになった小児在宅医療は,2011年ごろから東京都を中心に発達し,地域差はあるが全国に広がりつつある.小児在宅医療の主な対象となるのが,医療的ケア児といわれる日常的に胃瘻,人工呼吸器などの医療ケアが必要な児である.これらの児は近年急速に増加し,この14年間で,全体で2倍,自宅で人工呼吸器を使いながら生活している児の数は約19倍になっている.近年の医療的ケア児のなかには,気管切開下で人工呼吸器を使用しながら歩くなど運動能力が高く,知的障害がほとんどない児が含まれる.このような児は,従来の障害福祉制度では障害が軽いと判断され支援がほとんど受けられないが,実際には動けるために気管カニューレが抜ける,人工呼吸器がはずれるなどのリスクが高く,必要な支援の評価が大きな課題であった.しかし2021年度の障害福祉サービスの改定によって,医療的ケアが評価される仕組みができ,さらに2021年6月に成立した医療的ケア児支援法によって,その支援は徐々に整備されつつある.
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