特集 治りにくい肺炎に出会ったら
[Chapter 3] 感染症と考えていたが実は感染性肺炎ではなかった!
過敏性肺炎
坂本 晋
1
1東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科
キーワード:
過敏性肺炎
,
加湿器肺
Keyword:
過敏性肺炎
,
加湿器肺
pp.274-278
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_274
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▪過敏性肺炎のなかでも加湿器肺は当初肺炎と診断されることが多い.
▪肺炎と診断され,抗菌薬投与で速やかに改善し(実際は抗原回避が奏効)退院後再度加湿器を使用しすぐに発熱,呼吸困難,胸部画像の浸潤影で再入院するといったエピソードは本疾患を疑う経過である.
▪胸部CTの特徴として,広範な両側性のすりガラス陰影と浸潤影が多く,モザイクパターンを示していることが比較的多い.気道病変を示す小葉中心性の粒状病変は目立たないこともある.
▪KL-6は上昇しないことも多く,間質性肺疾患として認知されにくい.
▪本疾患は主治医が鑑別疾患として加湿器肺を想定し,問診をしない限りは診断に至らない疾患であり,加湿器の使用歴と病状経過の詳細な問診が診断過程においてきわめて重要である.
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