特集 喘息・COPDと関連疾患の重要知識Up-to-date
喘息・COPDの関連病態と鑑別を要する疾患
アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)
浅野 浩一郎
1
1東海大学医学部医学科内科学系呼吸器内科学
キーワード:
アレルギー性気管支肺真菌症
,
ABPM
,
アスペルギルス
,
スエヒロタケ
,
IgE
,
好酸球
,
粘液栓
Keyword:
アレルギー性気管支肺真菌症
,
ABPM
,
アスペルギルス
,
スエヒロタケ
,
IgE
,
好酸球
,
粘液栓
pp.2309-2312
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229913
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Point
◎アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の原因真菌となるアスペルギルス属真菌やスエヒロタケは分生子が小さいため気管支に到達しやすく,かつヒトの体温のような高温環境でも発芽できるため気管支に定着(腐生)しうる.
◎喘息の存在下では定着した真菌に対する2型免疫応答が生じ,IgE産生,好酸球の集積,活性化好酸球細胞核から放出された細胞外トラップによる粘稠な粘液栓形成をきたす.
◎成人喘息患者で咳嗽・喀痰の増加,末梢血好酸球数増加,血清総IgE高値,胸部異常陰影があれば,ABPMの可能性を疑って必要な検査を行う.
◎ABPMの診断においては,①真菌の下気道定着,②真菌アレルギー,③気管支内の好酸球性粘液栓の3要素を証明することが重要である.
◎標準治療は経口ステロイド薬あるいはアゾール系経口抗真菌薬であるが,漫然とした投与は避け,再発を繰り返す場合は専門医へ紹介する.
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