病気のはなし
先天性プロテインC,プロテインS欠損症
西岡 淳二
1
,
鈴木 宏治
2
1三重大学医学部附属病院検査部
2三重大学医学部検査医学講座
pp.1414-1421
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205513
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サマリー
血液凝固制御因子プロテインCならびにプロテインSの先天性欠損症は,ともに大腿静脈,肺静脈,脳静脈などに血栓を多発する血栓塞栓症をきたすことが多い.本症における血栓症の発症には加齢が関係し,青年期以降に多発する.一方,両因子は,後天的には,ワーファリンなどの抗ビタミンK製剤投与,抗生物質の多用による腸内細菌叢の破壊,ビタミンK吸収障害,肝疾患患者などでγ-カルボキシグルタミン酸の合成が不十分な機能異常プロテインC,プロテインSとなり,また妊娠,手術,DICなどでも変動し,血栓症誘発の一因になると考えられている.
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