特集 プライマリケア医に必要な情報をまるっと整理 くすりの使い方便利帳
第5章 消化器系に作用する薬剤
[下部消化管疾患治療薬]
便秘症治療薬
小笠原 尚高
1
,
春日井 邦夫
1
1愛知医科大学 消化管内科
pp.755-760
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_755
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・便秘症診療では,まず生活習慣の指導と浸透圧性下剤の投与を行い,効果が不十分であった場合に剌激性下剤を短期間投与する.
・腎機能障害を有する高齢者にはmagnesium oxideを投与しないこと,高齢者へ投与する際は,定期的に血清マグネシウム濃度を測定する.
・「慢性便秘症診療ガイドライン2017」では,浸透圧性下剤および上皮機能変容薬が推奨の強さ1(強い推奨),エビデンスレベルA(質の高いエビデンス)に位置づけられている.
・剌激性下剤は,長期連用により耐性が出現して難治性便秘になり,短期服用でも虚血性大腸炎発症のリスクがある.
・アントラキノン系刺激性下剤は,子宮収縮を誘発して流早産の危険性があるため,妊婦には投与禁忌である.
・エビデンスレベルA(質の高いエビデンス)で国際的に多く使用されている便秘症治療薬は,lactuloseとポリエチレングリコール(PEG)製剤である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023