特集 疾患治療で薬剤性便秘を作るな!
疾患別に考える! 新たな視点でのアプローチ
便秘治療と便秘の増悪
飯田 洋
1
,
岩田 悠里
1
,
稲森 正彦
1
1横浜市立大学医学部 医学教育学
pp.911-914
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2024080009
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はじめに
本症例の患者は便秘に対して若い頃より市販の刺激性下剤を服用していた.若い頃は頓 用であった服薬が,便秘の増悪に伴い40代からは毎日の服薬となっている.刺激性下剤の 長期連用により,耐性や習慣性が生じた症例である.『便通異常症診療ガイドライン2023』 において「慢性便秘症に刺激性下剤は有効か?」というbackground question(BQ)に対 する回答は,「慢性便秘症に刺激性下剤は有効である.耐性や習慣性を避けるために必要 最小限の使用にとどめ,できるだけ頓用または短期間での投与とする」となっている1).
本稿では,慢性便秘治療に汎用される薬剤のうち刺激性下剤の種類,その作用機序とエ ビデンス,副作用と使用上の注意,そして正しい使用方法について述べる.
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