特集 患者満足度の高い便秘診療
便秘を治療する
【薬物治療】
便秘症に対する漢方薬の使い方
安斎 圭一
1
1安斎外科胃腸科医院
キーワード:
便秘
,
漢方薬
,
大黄
Keyword:
便秘
,
漢方薬
,
大黄
pp.1497-1500
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227132
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Point
◎便秘治療に保険適用のある漢方エキス剤は非常に有効であるが,種類が多く,薬剤の選択が重要である.
◎大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう):大黄(だいおう)と甘草(かんぞう)の2種の生薬で構成され,瀉下剤の基本.
◎麻子仁丸(ましにんがん):大黄に硬い便を軟化する麻子仁(ましにん)と杏仁(きょうにん)が加わり,コロコロの兎糞状便が多い高齢者の便秘に有効.幅広い症例で使用可能.
◎桃核承気湯(とうかくじょうきとう):漢方薬エキス剤で最も瀉下作用が強い.のぼせ,頭痛,肩こり,イライラなどの症状がある場合に有効.
◎桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう):腸管の緊張を改善し腹痛を治療する桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)に大黄を加えたもの.痙攣性便秘に有効で,刺激性下剤が腹痛で服用できないときに効果的.
◎大建中湯(だいけんちゅうとう):大黄は含まず,腸管ガスの貯留(腹部膨満)と腹部の冷えを認める弛緩性便秘に有効.
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