特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫類縁疾患の診断と治療
POEMS症候群
大和田 千桂子
1
,
渡部 玲子
1
,
中世古 知昭
1
1国際医療福祉大学 医学部血液内科
キーワード:
POEMS症候群
,
多発性骨髄腫(MM)
,
末梢神経障害
,
血管内皮増殖因子(VEGF)
,
Castleman病
Keyword:
POEMS症候群
,
多発性骨髄腫(MM)
,
末梢神経障害
,
血管内皮増殖因子(VEGF)
,
Castleman病
pp.791-794
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_791
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Summary
▪POEMS症候群は末梢神経障害,胸腹水貯留,M蛋白血症,骨硬化病変などを呈する希少な骨髄腫類縁疾患である.
▪慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)との鑑別がしばしば問題となるが,λ型M蛋白血症・神経伝導検査所見・随伴する多臓器症状などが鑑別診断の一助となる.
▪thalidomide,lenalidomide,bortezomibなどの骨髄腫治療薬が有効で,65歳以下の若年者にはmelphalan大量療法による自家末梢血幹細胞移植が適応となる.
▪自家移植の治療効果は劇的であるが臨床奏効の観察には1年を要し,およそ1/4が5年以内に再発・再燃するため,長期にわたる観察と管理が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022