特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第9章:血液
インフルエンザウイルスのワクチン接種に訪れた患者にびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫の治療歴がありました.ワクチンの効果は期待できるでしょうか?
冲中 敬二
1
1国立がん研究センター東病院 感染症科
pp.636-639
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_636
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お答えします びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)の患者へのインフルエンザワクチンの効果は健常人より劣ります.その原因としては,疾患そのものによる免疫不全や,抗がん薬治療の影響が大きく,とくに抗B細胞抗体治療を受けた患者は最低でも半年~1年間はワクチンの効果は期待できません.このため,患者へのワクチン接種に加え,家族など患者周囲のケアギバーがワクチン接種を行うことで間接的に患者を守ることも重要となります.
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