今月の表紙
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫:Diffuse large B-cell lymphoma
常名 政弘
1
,
東 克巳
2
1東京大学医学部附属病院検査部
2杏林大学保健学部臨床血液学研究室
pp.656
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101767
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- 文献概要
今回はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma,DLBCL)を取り上げた.DLBCLはWHO(World Health Organization,世界保健機関)分類では,リンパ系腫瘍の成熟B細胞性腫瘍(mature B-cell neoplasms)に分類されている.さらにDLBCLは前縦隔に発生する胸腺B細胞由来で,30~50歳代の女性に好発する縦隔大細胞型B細胞リンパ腫とヒトヘルペスウィルス-8やカポジ肉腫ウィルスが関与し,HIV(human immunodeficiency virus)感染者に好発する原発性浸出性リンパ腫(primary effusion lymphoma)に分けられている.
DLBCLは急速進行性リンパ腫の代表例で,日本でのリンパ系腫瘍の約33%,非ホジキンリンパ腫の約70%を占め,悪性リンパ腫のなかで最も頻度の高い病型である.治療は第1選択としてR-CHOP療法(リツキシマブ,シクロフォスファミド,ビンクリスチン,プレドニゾロン)が最も広く行われ,予後因子にもよるが半数以上の症例で治癒するとされている.
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