発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007037997
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55歳男。右腋窩部の腫瘤が急速に増大し、当科入院となった。腫瘤は10×10cmの弾性硬、境界明瞭な皮下軟部腫瘍で、針生検により悪性リンパ腫と診断し、手術を施行した。腫瘍は腋窩動静脈と腋窩神経を巻き込んでおり、完全摘出は困難であったため腫瘍内切除を行い、切除標本検査により瀰漫性大細胞型B細胞リンパ腫と診断した。染色体分析の結果、腫瘍細胞は82-90,XXYYの2倍体を示し、大腸癌に関連する2q31部分の染色体付加や、癌胎児性抗原の遺伝子が存在する19q13での派生染色体などを含む多彩な変化が認められた。術後療法としてシクロホスファミド+ピラルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロンによる静注化学療法を6クール施行し、残存病変は消失した。治療終了後約5年の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2006