特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第9章:血液
新型コロナウイルスのワクチン接種に訪れた患者に特発性血小板減少性紫斑病の治療歴がありました.ワクチンの接種は問題ないでしょうか?
名島 悠峰
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 血液内科
pp.640-641
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_640
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
お答えします 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の患者さんで約1割に新型コロナウイルス(COVID-19)mRNAワクチン投与に伴う血小板低下を認めますが,その場合の治療反応性は良好であると報告されています.そのため,投与後1週間前後での血小板数確認が推奨されています.一方,COVID-19感染に伴い約半数にITPの増悪を認めるという報告もあり,臨床試験で発症予防効果を示されたワクチンを打つメリットは大きいと考えられます.できれば,主治医の先生とご相談のうえ,接種後1週間程度で採血による血小板数の確認をお勧めします.
© Nankodo Co., Ltd., 2022