特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第2章:呼吸器
数年前から胸部異常陰影を健診で指摘されていたものの放置していた患者が,3週間前から乾性咳嗽が出現して次第に増悪しています.どうすればよいでしょうか?
本多 紘二郎
1
1杏林大学 呼吸器内科
pp.388-391
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_388
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お答えします 乾性咳嗽,労作時呼吸困難をみたら間質性肺炎(IP)の可能性を考えます.原因のあるIPを除外できた症例を特発性間質性肺炎(IIPs)と診断します.IIPsは実臨床で最も頻度の高いIPです.IIPsのうち特発性肺線維症(IPF)は最も頻度が高く,かつ最も予後不良であるため,見逃さないようにしてください.IPFの胸部HRCT所見では蜂巣肺の存在が最も重要です.1ヵ月以内の急激な悪化や呼吸困難の進行がみられる場合は急性増悪を疑います.
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