特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第2章:呼吸器
小児期に気管支喘息の既往のある中年男性が昨年から季節の変わり目の就寝時や明け方に喘鳴を自覚するようになりました.どうすればよいでしょうか?
放生 雅章
1
1国立国際医療研究センター病院 呼吸器内科
pp.392-394
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_392
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お答えします 気管支喘息の典型的な症状と考えられます.喘息特有の症状・原因の有無を確認し,診断をより明確にするため呼吸機能検査,呼気一酸化窒素濃度(FeNO),末梢血好酸球・IgE RASTなどの検査を行います.気管支結核や中枢性発生の悪性腫瘍などの可能性も残るため,最低限胸部X線撮影や喀痰培養検査などのスクリーニングは必ず行うべきです.小児喘息の再発例で呼吸機能が低下している可能性が高いため,症状のみならず呼吸機能の正常化も目指し,より強力な治療,すなわち吸入ステロイド(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)配合薬や,場合によっては長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を加えたトリプル製剤による治療から開始していきます.
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