特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第2章:呼吸器
大腸がんで点滴と内服薬で化学療法中の高齢男性に,数週間前から微熱と咳嗽が出現し,胸部X線で肺の異常陰影を認めます.どうすればよいでしょうか?
松島 秀和
1
1さいたま赤十字病院 呼吸器内科
pp.383-384
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_383
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
お答えします まずは感染症,原病の悪化に加えて薬剤性肺障害を鑑別しなければいけません.薬剤性肺障害はどの抗腫瘍薬でも発症する可能性があり,重症化することがあります.背景に間質性肺炎がある症例はとくに注意が必要です.薬剤性肺障害を疑ったら,胸部画像所見(とくにHRCT)の評価,KL-6,SP-Dなど間質性肺炎マーカーの検索,気管支鏡(BAL,TBLB)の結果から,抗腫瘍薬投与中止,ステロイド投与を早急に検討してください.
© Nankodo Co., Ltd., 2022