特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第2章:呼吸器
喫煙者(80箱・年)の高齢男性が数ヵ月前からの労作時の息切れを主訴に受診してきました.心機能や狭心症などの問題はありませんが,どうすればよいでしょうか?
室 繁郎
1
1奈良県立医科大学 呼吸器内科学
pp.385-387
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_385
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
お答えします 高齢者喫煙で比較的緩徐に進行する息切れを主訴とした場合,心疾患が否定的であれば,慢性閉塞性肺疾患(COPD)が最も考えやすいと思います.問診,画像検査などで除外診断をした後に,スパイロメトリーで閉塞性障害を証明することが望ましいです.COPDでは禁煙は必須で,本症例では息切れを訴えていますので,長時間作用性吸入気管支拡張薬の定期吸入で症状を緩和し,身体活動性を向上・維持する指導が必要です.過去1年間に増悪歴が複数回あれば,吸入ステロイド(ICS)の併用も考慮します.
© Nankodo Co., Ltd., 2022