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特集 外科が求める膵腫瘍の術前画像
囊胞性膵腫瘍の進展度診断と術式決定―内科の現状
Preoperative Diagnosis of Pancreatic Cystic Tumors,Offerd by Internists
真口 宏介
1
,
高橋 邦幸
1
,
潟沼 朗生
1
,
林 毅
1
,
松永 隆裕
1
,
桜井 康雄
1
Hiroyuki MAGUCHI
1
,
Kuniyuki TAKAHASHI
1
,
Akio KATANUMA
1
,
Tsuyoshi HAYASHI
1
,
Takahiro MATSUNAGA
1
,
Yasuo SAKURAI
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital
キーワード:
漿液性囊胞腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
IPMT
,
EUS
,
IDUS
Keyword:
漿液性囊胞腫瘍
,
粘液性囊胞腫瘍
,
IPMT
,
EUS
,
IDUS
pp.675-683
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100416
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要旨 囊胞性膵腫瘍には,漿液性囊胞腫瘍(Serous cystic tumor:SCT),粘液性囊胞腫瘍(Mucinous cystic tumor:MCT)のほか膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary-mucinous tumor:IPMT)の膵管拡張を呈する例が加わる.SCTは基本的には経過観察,MCTは手術適応,IPMTは手術適応と経過観察可能例がある.SCTのmacrocystic variantが鑑別診断に問題となるが,膵管との交通がないことの証明,中心部付近に存在する小囊胞の集簇の描出がポイントである.MCTは,球形で共通の比較的厚い被膜を持ち,内腔に凸に向かう囊胞(cyst in cyst)の存在が特徴である.
IPMTは,主膵管型は手術適応,分枝型では,「腺腫もしくは腺癌」と「過形成」の鑑別を行い,前者は手術適応,後者は経過観察とする.術式の選択には,限局型,中間型,広範型のいずれであるかを吟味し,病態に応じて主膵管内進展と分枝内進展の判定を行う.術前診断としては,EUS,ERCP,IDUSの組み合わせが最も有効である.術中の切除線の決定には,分枝に気を配る必要があり,粘液散布の危険のある術中膵管鏡よりむしろ術中US,迅速病理の活用が実際的である.
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