特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
CKD進行を抑制するためにすべきこと
血圧管理
上原 立己
1
,
涌井 広道
1
1横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学
キーワード:
CKD
,
蛋白尿
,
降圧目標
,
微量アルブミン尿
Keyword:
CKD
,
蛋白尿
,
降圧目標
,
微量アルブミン尿
pp.985-988
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_985
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Summary
▪現在わが国におけるCKD患者の血圧管理に関するガイドラインでは,蛋白尿の有無,糖尿病合併の有無,年齢によって降圧目標・治療薬の選択が定められている.
▪糖尿病合併の有無にかかわらず蛋白尿がみられる(CKD重症度分類区分A2・A3)場合には,130/80mmHg未満が推奨されている.
▪降圧薬の選択は,微量アルブミン尿もしくは蛋白尿の有無,糖尿病合併の有無によって分類されている.
▪糖尿病非合併例では,蛋白尿陽性(0.15g/gCr以上)の場合はRA系阻害薬を推奨し,蛋白尿陰性の場合はRA系阻害薬,Ca拮抗薬,利尿薬のいずれかを選択することが推奨されている.
▪糖尿病合併例では,微量アルブミン尿陽性(30mg/gCr以上)または蛋白尿陽性(0.15g/gCr以上)の場合はRA系阻害薬を推奨し,微量アルブミン尿陰性の場合は糖尿病非合併例と同様に,RA系阻害薬,Ca拮抗薬,利尿薬のいずれかが第一選択薬として推奨されている.
▪処方時の注意として,既知の合併症を考慮することに加え,高齢者に関しては過降圧への注意,個別の忍容性への配慮が必要となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021