特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅳ.長期予後
(1)潰瘍性大腸炎
瀬崎 徳久
1
,
谷嶋 隆之
1
,
林 學
1
,
間山 素行
1
,
若林 芳敏
1
,
炭田 正俊
1
,
池田 政文
1
,
田口 忠男
2
,
水野 幸一
3
1千葉県がんセンター消化器内科・画像診断部
2千葉労災病院内科
3水野胃腸科・内科医院
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
長期経過
,
長期予後
,
画像
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
長期経過
,
長期予後
,
画像
pp.413-420
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105075
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要旨 潰瘍性大腸炎の長期予後について,発症から10年以上の長期経過例(105症例)を対象として画像(X線,内視鏡)からみた長期経過を含めた検討を行い,以下の結果を得た.①死亡率は1.0%,累積生存率は99.0%とその長期予後は比較的良好である.②手術率は10.5%で,その大半は相対的適応例であった.③癌発生率は0%,癌併存率は1.0%と少なかったが,癌の早期発見には特に緩解期における質の高い画像診断が有用である.④経時的に再燃率は低下し,10年以後の再燃率は軽症再燃まで含めても49.2%で,中等症以上での再燃率は21.1%と少ない.⑤罹患部位の口側進展率は19.0%と少なく,発症時に罹患部位はほとんど決定された.⑥発症時の画像所見は,長期予後(再燃率,緩解率,手術率など)の推定に有用である.更に,難治性潰瘍性大腸炎の画像について述べた.
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