特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
血液内科
[赤血球系疾患]
鉄欠乏性貧血,腎性貧血,骨髄異形成症候群に対する新たな治療薬
藤原 亨
1
,
張替 秀郎
2
1東北大学病院検査部
2東北大学大学院医学系研究科血液免疫病学分野
キーワード:
貧血
,
カルボキシマルトース第二鉄注射液
,
HIF-PH阻害薬
,
luspatercept
Keyword:
貧血
,
カルボキシマルトース第二鉄注射液
,
HIF-PH阻害薬
,
luspatercept
pp.1197-1200
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1197
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Summary
▪鉄欠乏性貧血に対する新たな治療選択肢として,新たな静注用鉄剤(カルボキシマルトース第二鉄)が近年承認され,より少ない投与回数で必要な鉄を補充することが可能となった.
▪腎性貧血に対しては赤血球造血刺激因子(ESA)が標準療法であったが,EPO遺伝子発現に重要な転写因子(HIF)の安定化を目的としたHIF-PH阻害薬の貧血改善効果が報告されている.
▪luspaterceptはTGF-βシグナル阻害という新しい作用機序に基づく貧血治療薬であり,骨髄異形成症候群(MDS)に対する有効性が報告されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021