特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第10章 代謝・内分泌
2型糖尿病
入江 潤一郎
1
1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科
pp.941-943
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_941
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診断基準
糖尿病は,インスリンの作用不足により生じる慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群と定義される.したがって,診断のためには高血糖が慢性的に持続していることを明らかにする必要があるが,血糖値は耐糖能が正常な者においても,ブドウ糖の摂取などにより急速に上昇し,およそ2時間以内には前値にまで下降するなど,ダイナミックに変動する.したがって,慢性の高血糖状態を診断するためには,血糖以外の長期間の血糖平均を反映する指標が必要となり,血液検査ではHbA1c値がよく用いられる.HbA1cは,ヘモグロビンの安定型糖化産物であり,検査時から過去1~2ヵ月間の血糖の平均値を反映する.
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