FOCUS
鼠径ヘルニア術後慢性疼痛の診療
成田 匡大
1
Masato NARITA
1
1神戸市立医療センター中央市民病院外科
キーワード:
鼠径ヘルニア術後慢性疼痛
,
CPIP
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
精巣痛
Keyword:
鼠径ヘルニア術後慢性疼痛
,
CPIP
,
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
精巣痛
pp.164-168
発行日 2026年2月20日
Published Date 2026/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570810010164
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慢性疼痛診療と私
1999年に大学を卒業し,2年間の臨床研修の後,2001年に神鋼病院(現・神鋼記念病院)に外科医として勤務したときの胸の高鳴りは今でも記憶に新しい.勤務して2例目に執刀させていただいた手術がProlene Hernia Systemを用いた鼠径ヘルニア根治術だった.Bilayer法は異物量の多さからガイドラインでも推奨されない術式だが,「妥協しない手術」を施行するためには,鼠径管内と腹膜前腔の解剖の理解が必須で,よれなくUnderlayメッシュを広げるためには腹膜前腔を十分に剝離する必要があるため,当時ほとんどの病院でなされていたPlug and Patch法と比べて達成感のある手術であった.当時外科部長であられた山本俊二先生は鼠径ヘルニア手術に造詣が深く,飲み込みの悪い私に根気よくご指導くださったおかげで,鼠径ヘルニア手術は現在に至っても私をとりこにしてやまない手術となった.山本先生は2005年9月に筋萎縮性側索硬化症にてご逝去されたが,2003年に「先生,これからの鼠径ヘルニアは手技の話ばかりではなく,慢性疼痛を考えないとだめだよ」というありがたい言葉をいただき,2013年から鼠径ヘルニア術後慢性疼痛(chronic postoperative inguinal pain:CPIP)に対する診療を本格的に行っている.

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