特集 痛みを訴える透析患者にどう対応するか
2.痛みの定義と病態機序
杉浦 健之
1,2
1名古屋市立大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野
2名古屋市立大学病院いたみセンター
キーワード:
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
痛覚変調性疼痛
,
生物・心理・社会モデル
Keyword:
侵害受容性疼痛
,
神経障害性疼痛
,
痛覚変調性疼痛
,
生物・心理・社会モデル
pp.1149-1154
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002263
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痛みとは,「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する,あるいはそれに似た,感覚かつ情動の不快な体験」である(国際疼痛学会,2020年).さらに,痛みは常に個人的な体験で,生物学的・心理的・社会的要因により影響を受けるなどの特徴がある.したがって,痛みを訴える患者への対応は考えていたよりも複雑であり,鎮痛薬の投与だけでは無効な場合がある.侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,痛覚変調性疼痛の病態に着目して,治療戦略を立てる.さらに,治療抵抗性の痛みには,心理社会的要因の関与を考え,多職種チームによる介入も期待される.
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