特集 血算を極める
さまざまな状況における血算の異常
肝障害における血算の異常
坂本 竜弘
1
1筑波大学血液内科
キーワード:
肝疾患
,
肝硬変
,
血小板減少
,
トロンボポエチン
Keyword:
肝疾患
,
肝硬変
,
血小板減少
,
トロンボポエチン
pp.769-771
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_769
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Summary
▪肝疾患における血算異常は血小板減少に留まらず,赤血球系および白血球系にも影響をきたす.
▪肝硬変における血小板減少は,脾機能亢進だけでなく肝臓におけるthrombopoietin(TPO)産生低下をはじめとした複雑な機序が関与している.
▪侵襲的処置を予定している血小板減少を呈する肝硬変患者の出血予防を適応としてトロンボポエチン受容体作用薬であるlusutrombopagが保険承認されたが,持続的な投与に関しての保険適用はない.
▪肝疾患による血算異常は症例ごとの差異が大きいため,各症例の状態・背景などを十分把握したうえで患者ごとに異なる対処が必要となることがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020