特集 血算を極める
さまざまな状況における血算の異常
内分泌疾患における血算の異常
片桐 隆幸
1
,
増子 正義
1
1新潟大学医学部・大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野
キーワード:
甲状腺
,
貧血
,
好中球減少
,
副腎皮質
,
好中球増多
Keyword:
甲状腺
,
貧血
,
好中球減少
,
副腎皮質
,
好中球増多
pp.773-775
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_773
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Summary
▪甲状腺機能低下症では,ホルモン自体の欠乏による低酸素誘導因子(HIF),エリスロポイエチン(EPO)低下によって生じる正球性貧血に加えて,鉄やビタミンB12欠乏を合併することで小球性・大球性貧血を呈することがある.また,好中球減少を認めることも知られており,造血前駆細胞への直接的作用の低下や抗好中球抗体の関与が考えられている.
▪副腎皮質ホルモンの分泌亢進は白血球の動態変化や機能異常をもたらし,免疫能低下をきたす.各種ホルモンは造血系にさまざまな作用を及ぼしており,日常診療において,血算の異常に遭遇した際の鑑別として内分泌疾患の存在を置くことは重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020