特集 血算を極める
血算の異常の鑑別診断
血小板増多の鑑別診断
小松 則夫
1
1順天堂大学医学部血液学講座
キーワード:
本態性血小板血症
,
反応性血小板増多
,
偽性血小板増多
,
偽性高カリウム血症
Keyword:
本態性血小板血症
,
反応性血小板増多
,
偽性血小板増多
,
偽性高カリウム血症
pp.749-752
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪病的な血小板増多症は腫瘍性に血小板が増加する一次性血小板増多と基礎疾患に伴い反応して増加する二次性(反応性)血小板増多に分類される.
▪反応性血小板増多の背後にはがんが潜んでいる可能性があることに留意すべきである.
▪血小板数が多い場合には高カリウム血症を呈することがあるが,血漿中のカリウム値が正常の場合には偽性高カリウム血症であり,治療を必要としない.
▪自動血球分析装置では腫瘍細胞の断片や破砕赤血球が誤って血小板としてカウントされる可能性がある(偽性血小板増多症).この場合には末梢血塗抹標本での直接の観察(目視)が重要となる.
▪本態性血小板血症の8割以上の症例で,JAK2V617F,calreticulin変異,MPL変異のいずれかがみられ,診断に有用である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020