特集 血算を極める
血算の異常の鑑別診断
異型リンパ球出現の鑑別診断
藤本 亜弓
1
,
鈴木 律朗
1
1島根大学医学部附属病院先端がん治療センター/腫瘍・血液内科
キーワード:
異型リンパ球
,
Epstein-Barrウイルス
,
悪性リンパ腫
Keyword:
異型リンパ球
,
Epstein-Barrウイルス
,
悪性リンパ腫
pp.743-747
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_743
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Summary
▪異型リンパ球とは,一過性に末梢血中に増加する反応性リンパ球である.
▪正常のリンパ球と比較して,大型で細胞質に富み,好塩基性が強く,N/C比が小さいことが特徴的である.
▪異型リンパ球の出現を認めた際は,まずはウイルス感染を疑う.Epstein-Barrウイルス(EBV)感染の頻度が高く,臨床的に伝染性単核球症を疑う場合はEBV特異的抗体の検索を行う.
▪悪性リンパ腫の白血化やリンパ性白血病でみられる “異常リンパ球” との鑑別が困難な例が存在するため,その可能性を念頭に置いておく.
© Nankodo Co., Ltd., 2020