Japanese
English
症例報告
右足の有痛性の網状皮斑を契機に本態性血小板血症と診断した1例
A case of essential thrombocythemia diagnosed by painful livedo reticularis on the right foot
桑原 咲
1
,
山田 陽三
1
,
中谷 祥子
1
,
岡村 篤夫
2
Saki KUWAHARA
1
,
Yozo YAMADA
1
,
Shoko NAKATANI
1
,
Atsuo OKAMURA
2
1地方独立行政法人加古川市民病院機構加古川中央市民病院皮膚科
2地方独立行政法人加古川中央市民病院機構加古川中央市民病院血液内科
1Division of Dermatology, Kakogawa Central City Hospital, Kakogawa, Japan
2Division of Hematology, Kakogawa Central City Hospital, Kakogawa, Japan
キーワード:
本態性血小板血症
,
網状皮斑
,
MPL遺伝子変異
Keyword:
本態性血小板血症
,
網状皮斑
,
MPL遺伝子変異
pp.569-573
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207049
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要約 79歳,女性.右足背にしびれと網状皮斑が出現し,イコサペント酸エチル,アムロジピン,カルバマゼピン,ビタミンEが処方されたが改善を認めず,疼痛を伴うようになったことから,当科を紹介された.右第4趾,足背,右踵外側に,圧痛としびれを伴う網状皮斑を認め,右全足趾の腹側にはアクロチアノーゼを認めた.血液検査で血小板数が103×104/μlと上昇しており,遺伝子検査にてMPL遺伝子変異陽性本態性血小板血症(essential thrombocythemia : ET)と診断された.皮膚生検では細動脈の血管内皮細胞の増生による閉塞を認めた.ヒドロキシカルパミドとアスピリンを内服して,数日後には右足の疼痛は改善し,血小板数もゆるやかに低下した.ETの皮膚症状は多彩であり,網状皮斑を呈する場合もあるため,網状皮斑を見た場合,ETも鑑別に挙げ,血液検査を行うべきである.
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