特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第6章:肝・胆・膵
C型非代償性肝硬変でもHCV排除は可能である
芥田 憲夫
1
1虎の門病院肝臓内科
キーワード:
velpatasvir
,
sofosbuvir
,
生命予後
,
肝がん
,
Child-Pugh-Turcotte分類
Keyword:
velpatasvir
,
sofosbuvir
,
生命予後
,
肝がん
,
Child-Pugh-Turcotte分類
pp.539-541
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_539
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C型非代償性肝硬変に対する直接作用型抗ウイルス薬(direct acting antivirals:DAAs)治療はこれまで保険適用外であった.とくに,NS3プロテアーゼ阻害薬は血中濃度が著しく上昇するため,NS3プロテアーゼ阻害薬を含むレジメンは禁忌とされている1).2019年1月,非代償性肝硬変に対してパンジェノタイプのNS5Aプロテアーゼ阻害薬velpatasvir(VEL)とsofosbuvir(SOF)の12週間併用療法が承認された.本薬剤の登場によりC型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)を100%排除できる日が現実味を帯びてきたといえる.ただし,高率にウイルス排除可能になった一方で,肝臓の予備能や生命予後を長期的に改善することができるのかは今後の検討課題である.本稿では,非代償性肝硬変におけるDAAs治療の実態と残された課題について海外からの報告も含めて解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021