特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第6章 肝・胆・膵
肝細胞がんにおける分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬の位置づけ
森口 理久
1
,
伊藤 義人
1
1京都府立医科大学消化器内科
キーワード:
肝細胞がん
,
分子標的治療薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
肝細胞がん
,
分子標的治療薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.518-522
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_518
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Summary
・肝細胞がんに対し現在使用可能な分子標的治療薬は,sorafenib,lenvatinib,regorafenib,ramucirumabである.
・肝細胞がんに対する分子標的治療では,二次治療以降まで見据えて治療を行っていくことが重要である.
・免疫チェックポイント阻害薬単剤では,肝細胞がんに対する有用性は統計学的に示されていない.現在,高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-high)の症例に対してのみpembrolizumabが使用可能である.
・IMbrave150試験において,atezolizumab+bevacizumabはsorafenibに比べ有意に肝細胞がんの予後を改善した.今後,肝細胞がんの全身化学療法が大きく変わっていくものと思われる.
・IMbrave150試験の詳細なデータや,他の臨床試験,これまでのリアルワールドデータなどをもとに,今後分子標的治療薬と免疫チェックポイント阻害薬の使い分けや棲み分けを明らかにしていくことが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020