特集 皮疹から疾患を考える
皮膚症状から考える皮膚疾患,内科疾患
紫 斑
川上 民裕
1
1東北医科薬科大学医学部皮膚科学教室
キーワード:
紫斑
,
palpable purpura
,
IgA血管炎
,
Henoch-Schönlein紫斑病
Keyword:
紫斑
,
palpable purpura
,
IgA血管炎
,
Henoch-Schönlein紫斑病
pp.397-401
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_397
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Summary
▪紫斑は,真皮内での出血を皮膚表面からみたものである.
▪紫斑はさまざまな原因で生じるが,頻度が高いのは老人性紫斑とステロイド紫斑である.
▪紫斑のうち皮膚科的側面で最も重要なのが,下肢のpalpable purpuraである.
▪palpable purpuraは,真皮上層の毛細血管(小血管レベル)で壊死性血管炎(病理学的には白血球破砕性血管炎)が起きていることを意味する.IgA血管炎(かつてのHenoch-Schönlein紫斑病)がほとんどである.
▪血管炎を疑う際は,MPO-ANCA,PR3-ANCA,クリオグロブリンなどで鑑別する.
▪palpable purpuraをみたら,皮膚生検を行う.5mmパンチバイオプシーで2ヵ所を採取する.そのうち1ヵ所は,蛍光抗体直接法のために標本を凍結する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020