特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
臓器障害を合併する高血圧
腎疾患合併高血圧
有馬 秀二
1
1近畿大学医学部腎臓内科
キーワード:
蛋白尿
,
糸球体高血圧
,
夜間高血圧
Keyword:
蛋白尿
,
糸球体高血圧
,
夜間高血圧
pp.219-222
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_219
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪慢性腎臓病(CKD)患者の降圧療法の目的は,腎障害の進展を抑制・阻止するとともに脳心血管病の発症・再発を予防することにある.
▪蛋白尿を認める症例ではレニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬を第一選択薬とし,降圧不十分な場合には利尿薬またはCa拮抗薬を追加して診察室血圧130/80mmHg未満を目指す.
▪蛋白尿を認めない症例では必ずしもRA系阻害薬が第一選択とは限らず,RA系阻害薬・Ca拮抗薬・利尿薬のなかから病態に合わせて選択し,診察室血圧140/90mmHg未満を目指す.ただし,糖尿病合併患者では蛋白尿を認めなくても130/80mmHg未満を目指す.
▪CKD患者では食塩感受性高血圧を呈することが多く,夜間血圧が上昇しやすくなるので24時間にわたる血圧管理が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020